HDCP解除について
HDCP解除の可否を「映る」「映らない」「録画できない」といった単純な結果だけで判断するのは適切ではありません。特に録画(キャプチャ)を行う場合は、入力機器の仕様、キャプチャデバイスの対応状況、さらにソフトウェアの設定(例:OBSの音声フォーマットなど)によって結果が大きく異なります。
録画ができない場合でも、HDMI分配器を介した構成(例:入力=ストリーミングデバイス、出力1=モニター、出力2=キャプチャデバイス)で保護コンテンツの映像がモニターに正常に表示される場合、分配器内部でHDCP信号の再生成または除去が行われている可能性があります。
なお、保護コンテンツの録画・保存を目的としたHDCP関連の動作について、弊社ではサポートおよび機能保証を一切行っておりません。当店がご案内する内容は、あくまで正規利用(PS5のHDCP無効化機能・非保護コンテンツや業務映像など)の範囲内での技術的互換性確認を目的としています。
🔎 まず理解しておくべき前提
- HDCP対応(録画しようとしていない信号とみなし、ほぼすべてのHDMI機器は正常に映ります、意識する必要はありません)とHDCPパススルー(暗号化信号を解除せず中継、そのままHDCP信号を渡しているだけ、)は別概念です。
- 保護コンテンツを録画、HDCPの解除(暗号無効化)を目的とした、サポートや動作保証は弊社では一切お断りいたします。
- 「表示できる」と「録画できる」は別問題です。表示OKでもキャプチャ機器やキャプチャソフトの仕様や設定により、録画できないといった事象が発生します。
✅ 実務的に「HDCP関連の挙動」を確認する安全な手順
- 非保護(一般)コンテンツで確認:自作動画やテスト映像で「表示/録画」ができるかを確認。不可なら接続・ケーブル・入出力機器の仕様・キャプチャデバイスの仕様・OBS設定の可能性大。
- HDCP非対応モニターでの表示テスト:HDCP信号を除去しているので、映ればHDCP対応していない機器でも映った証です。
- キャプチャデバイス仕様の確認:「HDMIのバージョン・解像度・リフレッシュレート・キャプチャできる音声フォーマット」等の仕様要確認。
- ソフト(OBS等)の設定確認:入力フォーマット・音声(PCM/サンプリングレート)で可否が変わる場合あり。
- HDMIジェネレーターによる診断:業務用途ではHDCP ON/OFF・EDID検証で認証段階を切り分け可能(専用機器が必要)。
⚠️ 「解除できる/できない」を判断できるポイント
- HDCP非対応モニターで映るかを確認
- HDMIジェネレーターでHDCP反応を確認(技術者向け・専用機器が必要)
- キャプチャデバイス接続後に保護コンテンツ映ったかどうか
🔧 OBS/キャプチャ設定の見直し(互換性チェック)
- 保護コンテンツはキャプチャ機器側でブロックされるのが通常です(表示できても録画不可は仕様・設定の可能性大)
- OBSの音声フォーマットはPCM(48kHz)推奨。入力デバイス選択も再確認。
- キャプチャ機器のドライバ/ファームウェアは最新へ更新。
- 全デバイスの再起動等
🧭 用語整理:HDCP対応・パススルー・解除
- HDCP対応: 機器がHDCPプロトコル(認証・暗号化)を処理できる。
- HDCPパススルー: 暗号化信号を解除せずに中継する(保護は維持)。
- HDCP解除: 暗号化を無効化し保護を外す行為(法的・倫理的リスクがあるため非推奨)。
🎮 PS5の「HDCP無効化」機能との違い
PS5の設定でHDCPを無効にすると、ゲーム映像(非保護)のみが非暗号で出力され、キャプチャがしやすくなります。これは解除ではなく「最初からHDCPを掛けない出力」です。一方、保護コンテンツ(Blu-ray・配信アプリ)を再生するとPS5は自動的にHDCPを再有効化します。
🧩 HDCP非対応機器との接続に有効な「信号安定化」の考え方
本製品はHDMI信号を安定的に分配・伝送するため、HDCP整合性を再生成する設計を採用しています。これにより、HDCP非対応の業務用モニターやキャプチャ機器でも、非保護コンテンツの映像を安定して表示・配信できます。
HDMI分配器の使用例:
・ゲーム実況・ライブ配信での映像分配(PS5 / Switch / PC など)
・HDCP非対応の業務用モニター・収録機器でのプレビュー表示
・社内プレゼン/展示会でのマルチモニター出力
・ZOOM / Meet / Teams 会議の録音・録画、キャプチャ保存
・別部屋へ同映像の同時出力、映像の複製
・eARC非対応モニターでDolbyAtmos対応サウンドバーでの音声堪能・接続・構築
※ 本機能は保護コンテンツ(Blu-ray、Netflix、Prime Video 等)の録画・保存を目的とするものではありません。
※ 「HDCPパススルー」は保護信号を解除せず中継する機能です。録画機能を意味しません。
【重要】HDCPに関するご注意
HDCPは著作権保護のための技術です。HDCPの解除を目的とする使用や、保護されたコンテンツの無断録画・配布は法令に抵触する可能性があります。
当店は、解除行為を目的としたツール・方法の提供や、そのような利用に関する保証・サポートを一切行いません。
HDCP関連のトラブルは、まずHDMIケーブル・入出力機器の仕様・接続経路・機器の互換性・キャプチャソフトの設定・再起動等をご確認のうえ、正規の方法で解決をお試しください。