HDMI 2.1の48Gbps帯域幅とは?
HDMI 2.1は、従来のHDMI 2.0の18Gbpsから大幅に帯域幅が拡張され、最大48Gbpsのデータ伝送が可能となりました。この増加により、以下のような高解像度・高リフレッシュレートの映像や高品質な音声の伝送が実現します:
- 8K(7680×4320)@60Hz
- 4K(3840×2160)@120Hz
- 10K解像度のサポート
- Dynamic HDR(HDR10+、Dolby Visionなど)
- eARCによる高品質な音声伝送(Dolby Atmos、DTS:Xなど)
このような高帯域幅の実現には、Ultra High Speed HDMIケーブルの使用が推奨されます。これにより、次世代の映像体験やゲームプレイが可能となります。
帯域幅とは?ポイント解説:
帯域幅は、1秒間に送れるデータの最大量を示します。例えば、HDMI 2.1の帯域幅は最大48Gbpsで、これは1秒間に48ギガビットのデータを送れることを意味します。この大容量により、8K解像度や高品質な音声フォーマットの伝送が可能になります。
HDMIバージョン別の帯域幅と対応解像度・リフレッシュレート
| HDMIバージョン | 最大帯域幅 | 対応解像度 / リフレッシュレート |
|---|---|---|
| HDMI 1.4 | 10.2 Gbps | 最大 4K(3840×2160)@30Hz |
| HDMI 2.0 | 18.0 Gbps | 最大 4K(3840×2160)@60Hz 1080P@120Hz |
| HDMI 2.1(40Gbps実装) | 40.0 Gbps | 最大 4K(3840×2160)@120Hz、8K(7680×4320)@60Hz(制限あり) |
| HDMI 2.1(フルスペック) | 48.0 Gbps | 最大 8K(7680×4320)@60Hz、4K@120Hz、10K@120Hz(DSC使用時) |
ゲームや高品質映像における帯域幅の重要性
ゲームや高品質な映像コンテンツでは、大量のデータを高速で伝送する必要があります。帯域幅が不足すると、映像のカクつきや音声の遅延が発生する可能性があります。そのため、最新のHDMI 2.1規格では、48Gbpsの帯域幅を確保し、滑らかで高品質な映像体験を提供しています。帯域幅は、映像や音声の品質に直結する重要な要素です。48Gbps帯域幅を持つUltra High Speed HDMIケーブルや機器を選ぶことで、快適な視聴体験を実現できます。
DSC(Display Stream Compression)とは?
DSCは、VESA(Video Electronics Standards Association)によって策定された映像圧縮技術で、主にHDMI 2.1やDisplayPort 1.4以降の規格で採用されています。この技術により、帯域幅の制限を超える高解像度・高リフレッシュレートの映像を、視覚的に品質劣化がない形で伝送することが可能になります。
【完全解説】RGB / YUV・bit深度・帯域と安定性
〜なぜ高画質ほど不安定になるのか?PS5・HDMI分配器の現実〜
■ はじめに|「設定は合っているのに、なぜ途切れる?」
4K / 120Hz / HDR / VRR。
最近のゲーム機や映像機器は、非常に高画質になりました。
一方で、
・画面が一瞬ブラックアウトする
・数分に一度、映像が途切れる
・機器を変えると急に安定する
といった現象に悩まされる方も多いのではないでしょうか。
その原因の多くは、
RGB / YUV・bit深度・HDMI帯域の関係にあります。
この記事では、専門知識がなくても理解できるように、
これらの関係を整理して解説します。
■ 1. RGB と YUV の違いとは?
結論を一言で言うと、
・RGB:色を正確に送る方式(帯域が重い)
・YUV:人間の目に合わせてデータ量を減らす方式(帯域が軽い)です。
RGBは、赤・緑・青の3色をすべてフル解像度で送る方式です。
PCモニターや文字表示、映像編集に向いていますが、
通信量(帯域)が非常に大きくなります。
YUVは、人間の目が「色」よりも「明るさ」に敏感である特性を利用し、
明るさ(Y)は高精度、色(U/V)は間引くことで、
見た目を大きく変えずに帯域を削減します。
テレビ放送・動画配信・ゲーム用途では、YUV方式が一般的です。
■ 2. bit深度(8-bit / 10-bit / 12-bit)とは?
bit深度とは、色や明るさの「なめらかさ」を表します。
・8-bit:約1,677万色(SDR、従来映像)
・10-bit:約10億色(HDRの実用ライン)
・12-bit:理論上の最高精度(映画・業務用途)
HDRを成立させるには10-bit以上が必要ですが、
家庭用環境では 10-bit が最も現実的です。
■ 3. 帯域(Gbps)と安定性の関係
ここが最も重要なポイントです。
同じ「4K120Hz」でも、映像形式によって必要な帯域は大きく異なります。
・RGB 4:4:4 / 8-bit:約32Gbps
・RGB 4:4:4 / 10-bit:約40Gbps
・RGB 4:4:4 / 12-bit:約48Gbps(HDMI 2.1の理論上限)
・YUV 4:2:2 / 10-bit:約32Gbps
48Gbpsはあくまで理論上の最大値です。
分配器・ケーブル・EDIDのいずれかに余裕がない場合、
この帯域付近では不安定になりやすくなります。
■ 4. なぜ「高画質ほど不安定」になるのか?
理由はシンプルです。
HDMIは、非常に高速で余裕の少ない通信方式です。
わずかな誤差でも再交渉が発生し、
それが「ブラックアウト」として現れます。
特に、
・分配器を使用している
・複数台へ同時出力している
・長いHDMIケーブルを使用している
これらの条件が重なると、
48Gbps付近は「不安定ゾーン」になりやすくなります。
■ 5. PS5の現実的な出力挙動
PS5の実質的な最大帯域は、約32Gbpsです。
主な動作構成は、
・4K / 120Hz
・YUV 4:2:2
・10-bit
となっており、12-bit出力はほぼ使用されません。
PS5はもともと、画質よりも安定性を重視した設計になっています。
そのため、PS5単体では安定していても、
分配器を挟むことで限界が表面化するケースがあります。
■ 6. RGB / YUV / bit はどこで設定する?
PS5の場合、基本はすべて「自動」です。
・RGB / YUV:自動切替
・bit深度:自動
・帯域が足りない場合は自動的に下げられる
ユーザーが直接指定できないため、
「なぜ変わったのか分からない」ことが混乱の原因になります。
なお、「フル / リミテッド」は黒レベルの設定であり、
帯域やbit深度とは直接関係ありません。
■ 7. 安定させたい場合の考え方
実用上の優先順位は以下の通りです。
・10-bitを前提に考える
・YUV 4:2:2を許容する
・48Gbps表記は「常用保証」ではないと理解する
・高画質と安定性、どちらを優先するか決める
■ まとめ|「仕様=常に出る」ではない
・12-bit / RGB / 48Gbps は理論上の最大値
・家庭用・分配環境では 10-bit / YUV が最も現実的
・高画質を追いすぎると、安定性を犠牲にする場合がある
HDMIでは、
「どの形式で」「どこまで使うか」を理解することが重要です。
PS5「4K映像転送レート(-1 / -2)」設定手順
PS5には、HDMI出力を安定させるための
「4K映像転送レート」設定が用意されています。
映像が安定している場合は変更不要ですが、
ブラックアウトや映像途切れが発生する場合の
調整用(保険)設定として有効です。
設定手順(PS5 本体)
- PS5 ホーム画面を開く
- 右上の「設定(歯車アイコン)」を選択
- 「スクリーンとビデオ」を選択
- 「映像出力」を選択
- 「4K映像転送レート」を開く
ここで、以下の選択肢が表示されます。
・自動(0)
・-1
・-2
各設定の意味と使い分け
自動(0)[初期設定・推奨]
PS5が接続環境に応じて自動調整します。
通常はこのままで問題ありません。
映像が安定している場合は変更不要です。
-1[軽い安定化]
HDMI帯域をわずかに抑えて安定性を向上させます。
高リフレッシュレート使用時の、
軽微な映像途切れ対策として有効です。
-2[最大安定化]
帯域に大きめの余裕を持たせる設定です。
HDMI分配器を使用している場合や、
長いHDMIケーブルを使っている環境で効果的です。
-1でも改善しない場合の、最終調整用として使います。
重要な注意点(安心材料)
この設定は、
解像度(4K)や120Hz出力を強制的に下げるものではありません。
PS5が内部的に、
RGB / YUV や bit深度を自動調整し、
安定側へ寄せる仕組みです。
映像が安定している場合、
無理に -1 / -2 に変更する必要はありません。
まとめ(覚えておくポイント)
・基本は「自動(0)」のままで問題ありません
・映像途切れが出たときだけ、-1 → 改善しなければ -2 の順で試す
・高画質を維持しつつ、安定性を優先したい場合の安心設定です